蠍は留守です記

蠍の不在を疑わずに眠る暮らしの記録

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Tibet Festival TOKYO 2013 のこと

今年のゴールデンウイーク、チベットフェスティバル トウキョウ 2013 に遊びに行ってきた。

夕方から遊びに行ったので、砂曼荼羅や美術品展示を見ることはできなかったが、チャムと呼ばれる仮面舞踏会、法要、光曼荼羅などを楽しむことができた。チベットのカラフルなテントを眺めながら、バター茶を飲んだりもした。バター茶大好き。

チベットのテント

あと、今になって気付いたんだけど、護国寺本堂にある騎龍観音の絵を描いた原田直次郎さんって、宅の主人の縁者であった。本当に知らなかったのだけれど、なんとも奇妙なご縁だなぁ。

それはさておき、今回のフェスティバルにあたってはタシルンポ寺の僧侶が24名もいらしていたそうだ。

チャム前の様子

タシルンポ寺は中央チベットの四大寺のひとつで、ゲルク派の精神的指導者パンチェン・ラマ法王が座主。しかし、今タシルンポ寺の僧侶は国外で暮らしている。文化大革命によって寺院が破壊され、南インドに亡命しているのだ。パンチェン・ラマ11世法王は1995年に拘束されて以来、どこでどのように暮らしているのか不明なのだという。

タシルンポ寺の僧侶の方々が踊る仮面舞踏・チャムを、この日はじめて見た。厄除けと生きとし生けるものの幸せを願う舞なのだそうだ。チャムに続いて法要や祈りも厳かに行われた。チベット仏教独特のチャムについては、ここではさらっと触れるだけとして、また個別にエントリ書きたい。

法要・神々の充足の様子

祝福と廻向の祈りの様子

チャム・黒帽の舞の様子

チベットの歌姫パッサン・ドルマさん(歌)とテンジン・クンサンさん(笛)のステージも素晴らしかった。壮大なヒマラヤの景色が目に見えるような音色だった。

チベットの歌姫パッサン・ドルマさん(歌)とテンジン・クンサンさん(笛)のステージの様子

チベットの文化や生活がどんな状況にあるか、知らない人も多いと思う。私も普段意識して暮らしているわけではない。私の場合は単純に仏教文化や仏教芸術に興味があるため、アンテナに引っかかったという感じ。

だけど、こういった交流の機会に彼らの文化に触れることで、少し身近な存在に感じられるようになる。はじめて触れる文化に心惹かれたり動かされたりする。そういうひとつひとつって意味があるんじゃないかな。大きなことはできなくても、ひとつ何かを知ることで何かが変わったりするんじゃないかな。

文化を維持し、守るということ。若い世代に伝統や知識や独自の技術を引き継ぐこと。コミュニティを育むこと。私達にとっても、ひとごとではないのかもしれないなぁと思う。

だから、このエントリを通じて、チベットの今をはじめて知る誰かにひとつでも多く届いたら嬉しいな。

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