蠍は留守です記

蠍の不在を疑わずに眠る暮らしの記録

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じわじわと今後が気になる『三宗教相談所』

なんだかあとからじわじわ来るようなものたちが好きだ。パッと終わってすぐ忘れるような、そういうものではなくて、時折ふっと思い出すような。むしろあとになればなるほど気になっていくような。

ちょっと前の5月半ばくらい、「三宗教相談所」というコンテンツの収録と配信を見学させてもらった。特に大した理由はなくて、こういうのが好きそうな人、ということで呼ばれたのだと思う。そういうのが好きな人なので、ほいほいと呼ばれていき、スタジオで生見学をさせてもらった。

それがちょっと時間を置いて、まんまとじわじわ来ている。

壁に貼られた三宗教相談所のステッカー

(以下文中、中の人に許可をもらって使っている写真です)

三宗教相談所の内容

ざっくり言うと、三つの宗教が集まってお悩みに答えるというコンテンツ。個人的には、質問の内容にはあまり共感できるものがなかった。じゃあ何がおもしろかったのかというと、質問に対する各宗教家の答え方や話の運び方。今になってじわじわ来ているのは、そこが肝なのである。

三人の宗教家が座る畳の舞台

十代から二十代前半くらいを視聴のターゲットにしているそうで、どちらのトークもライトな感じのバラエティに仕上がっている。濃いトークを期待する層には若干の物足りなさがあるかもしれないので、そのあたりを織り込んで見ていただけるとよいと思う。

キリスト教×仏教×イスラム教編

1本目の収録は、YouTubeで公開されている。出演は日本キリスト教会浦和教会の牧師・三輪地塩さん、浄土真宗本願寺派法林寺副住職・藤岡善念さん、日本ムスリム協会理事・サイード佐藤さんのお三方。

お話は淡々と進んだが、冠婚葬祭の話くらいから盛り上がっていった。死と宗教の結びつきは根強い。違う言葉で語っているけれど、どこか通じる部分があるのがわかる。

印象的だったのは、終盤でどなたかが発した「お互いに関係性ができてきたら、もう少し強いやり取りもできそう」という言葉だった。確かに、この回では探り探りお互いの言葉に耳を傾け、意見を交わしている姿勢がわかった。共通点や相違点を楽しんでいるように見えたが、「強いやり取り」というところまでは至っていない。

また次に同じメンバーで話したら、どんな話を聞かせてもらえるのかは興味深い。共通点を掘り下げたら見えてくる部分、きれいごとでは済まない部分、そうした深い話が聞いてみたいなぁ。

キリスト教×仏教×神道編

2本目はキリスト教、仏教、神道に加え、山寺宏一さんが司会の LINE LIVE。ライブ時にはコメントを付けられたりするので、視聴者コメントと山寺さんのやり取りもあったりする。

この回の出演者は、日本福音ルーテル東京教会・関野和寛牧師、浄土真宗本願寺派法林寺副住職・藤岡善念さん、元NHKアナウンサー・宮田修宮司のお三方。

前の回の出演者の安定した語りっぷりに比べ、こちらはトークが噛み合っているような噛み合っていないようなハラハラする空気が醍醐味である。自分の十字架を背負う話や宿縁・宿業といった話題なども思いのほか軽やかに語られる。想定視聴者層である若者の厨二心をくすぐるようなエンターテイナーっぷりはかなりの見もの。

そしてキャラの立った面々でのトークを回すMCのクオリティは、さすがの山寺さん。プロだなぁという感想しか出てこなくて、いやはやありがたいものを見た、貴重なものを見たという気持ちでいっぱい。

配信の裏側もおもしろかった

コンテンツは、ドガピポという動画サイトの中の人たちが作っている。今回見学させてもらったのは収録とライブ配信の2本だったが、どちらの進め方も見られてテンションが上がった。

収録リハーサル風景

立ち位置を確認したり、カメラ映りを確認したり、忙しく立ち動くスタッフさん。どんな種類の現場でも、プロの仕事を見るのは楽しい。リハーサルはこういう世界ではドライランと言うそうだ。出演者の代わりにスタッフが動きを確認したりする。

ドライランをモニターで確認中のスタッフさん

カメラがいくつもあって、カメラマンやディレクターが厳しくチェックを入れるのもかっこいい。私はただスタジオの隅っこで、どうしたら邪魔にならないかを考えたりしたのだが、結局最初に座った場所にずっといた。邪魔になってたら本当にごめんなさい。

ライブ配信開始前の風景

今のところ、次の配信がいつなのかなどはわからない。けど、次回があるなら楽しみだなぁと思う。じわじわと思い返して、また次のじわじわを待ちたい。


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