蠍は留守です記

蠍の不在を疑わずに眠る暮らしの記録

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お茶とわたし:台北のお茶屋さん

このエントリは『お茶とわたし Advent Calendar 2015』の8日目です。

前回はなんとなくのおすすめ茶藝館を紹介したけれど、今回はなんとなくのおすすめお茶屋さん2店を紹介したいと思う。台北に限定し、観光でふらりと行ってもそこそこ安心で確実なところ、という視点で選んでいる。おみやげ的なパッケージのかわいさは一切考慮していない。

峰圃茶荘

街のお茶屋さんといった佇まいの峰圃(フォンプー)茶莊は、漢口街一段にある。創業120年の老舗だそうだ。試飲をさせてくれるし、日本語ができる店員さんもいる。とにかくはじめての人でも買いやすい(と思う)。

そもそも高山茶は高級品なので高いと感じる人もいるかもしれないが、峰圃茶荘はお茶の味と値段とサービスと日本人観光客としての安心感のバランスがよいお店だと言っていい(私は言う)。日本人が苦手とする独特な駆け引きなしに、誠実に売ってくれるお店というイメージで間違ってない気がする。

峰圃茶荘の店内で試飲をさせてくれる

お茶屋さんでは試飲をさせてくれるところが多い。峰圃茶荘では飲杯だけでなく聞香杯といって香りを楽しむための茶器も使わせてくれる。また、中国茶や台湾茶は何煎も淹れられるものなのだが、峰圃茶荘では5煎目くらいまで試させてくれるのがすごい。何煎目でどのように味が変わるかとか、どこで味が落ちるかとかまで試させてもらえるので、とても参考になる。ある程度品質に自信がないと、それはできないだろうなと思う。

パッケージのかわいさは考慮しないと書いたが、峰圃茶荘はトラディショナルな雰囲気の箱包装。なので持ち帰りも安心だし、古風な絵柄が好きな人には普通に受けがいいと思う。ちなみにここのパイナップルケーキを食べたら空港で売ってるようなパイナップルケーキは食べられなくなるくらいおいしいので、わざわざ空港で高くて微妙なおみやげを買うくらいなら、ここで一緒にまとめ買いするのも手だ。

決済の方法に抵抗がなければ、オンライン注文やFAX注文もできるので、また飲みたいなと思った時に取り寄せすることも可能。季節ごとに、新茶の予約を受け付けてくれるのもうれしい。

林華泰茶行

もうひとつのおすすめは、迪化街は重慶北路にある林華泰(リンファータイ)茶行。一般人でも入れる問屋さんだと思っておけば間違いない。こちらも170年の老舗だそうだ。

ドラム缶から茶葉を量り売りしてくれるので、とにかく大量に自宅用茶葉を買うのにおすすめ。接客に関しては大きく期待せずに行くのがちょうどよい。とはいえ、お茶の相談にはちゃんと乗ってくれる。何も言わなければ袋に詰められるし、真空パックが必要な場合は言えばしてくれる。

林華泰茶行のドラム缶

峰圃茶荘に比べるとひとつハードルが高いが、もしはじめてでもこちらに行ってみたいという場合は「あらかじめ買いたい高山茶を決めておいて真ん中くらいのランクを買う」という目安で行ってみるのがおすすめ。

入口に近いスペースに並んでいるのは比較的単価の安い茶葉。少し奥に行って高山茶の缶がまとまっているあたりを見つけてほしい。価格表が貼り出してあるので、それを参考にするのもわかりやすい。

余談だが、この隣にもうひとつ林家のお店が並んでいたりする。相続時のお家騒動で分裂したのだそうだ。林華泰茶行は長男(正式な4代目と呼ばれている方)のお店、お隣の林茂森茶行は次男のお店だそうだ。私はなんとなく林華泰茶行の方で買っている。特に強い理由はないけど。ちなみに渋谷の道玄坂にある華泰茶荘は4代目の息子さん(つまり5代目)がやっているお店とのこと。

お茶を買うの楽しい

いろいろなお店があるから迷ってしまうけれど、パッケージより茶葉重視の私はギフト向けのお店に行くよりも紹介したようなお店で買うのが好きだ。よいと聞くお店でまだ行ったことがないお店はたくさんあるので、いつか行くのが楽しみ。

また、行ってはみたけれど個人的にはおすすめできないな、と判断するお店もそれなりにあったわけだ。個人的にそういう体験はそういう体験でおもしろいと感じているが、それで最初に誤解をされてしまうともったいないので。日本人観光客として行ってもそこそこ安心で確実なところというものを選んだ。

私のとりとめもないつぶやきやブログ記事から興味を持ってくれた人には、台湾茶をちゃんと好きになってもらえたらうれしいので、そういった方々にとっての参考になれば幸い。


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