蠍は留守です記

蠍の不在を疑わずに眠る暮らしの記録

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お茶とわたし:日本の急須

このエントリは『お茶とわたし Advent Calendar 2015』の22日目です。

五代目・本多茂兵衛さんにおすすめいただいた常滑焼の光松陶園の和急須が、私のはじめての和急須になった。実家にいた時は自分の急須を持っていなかったし、自立してから紅茶やコーヒーを家で飲むことはあっても、日本茶は飲まなかったから。

常滑焼で使う土はお茶を淹れるのに向いているというのは以前から聞いていて、買うなら常滑焼だなぁと思っていた。金具を使用していなくて、釉もかけていないもの、そして私の手の届く値段であるもの。

すべての条件を満たしたこの急須、とても気に入っている。

常滑焼の急須

和急須は主に丸火ほうじ茶を飲むのに用いている。よく温めた和急須の広い口から丸火をさらさらと入れると、芳香が立ち昇ってくる。聞香杯を使わなくても、この瞬間が最高の聞香タイムになっている。

お茶を注ぎきったあとの茶葉の様子もセクシーで、艶よく濡れながら湯気を上げる様子をいつまででも見てしまう。この時の香りもよい。

ほうじ茶を淹れた後の和急須

和急須ではあるものの、烏龍茶を淹れても美味しく入る。中国茶用の茶壺で淹れるのとはまた違ったニュアンスで気軽に楽しめるのがいい。

丸火・青を淹れた後の和急須

ところで和急須の選び方のポイントなのだが、あまり安いものは機能を満たさないというのは想像しやすいと思う。しかし、中途半端に高いものも要注意なのだという。

機能は十分でないが芸術性とか作家性で値付けがされているものがあるからだそうだ。めちゃくちゃ高いものになると、機能性と芸術性のバランスが取れてすごくよいものになるのだが、機能性のみを重視するのであれば、ちょうどいい価格帯が見えてくるらしい。

この急須は機能性抜群で、ふたをしめた時の吸い付くような感じがいつも気持ちいいし、注ぎも軽やか。見た目も気に入っているし、ずっと大事に使っていきたい。


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