蠍は留守です記

蠍の不在を疑わずに眠る暮らしの記録

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お茶とわたし:飲杯、聞香杯

このエントリは『お茶とわたし Advent Calendar 2015』の13日目です。

お茶を飲むための器、つまり茶杯。それと対になるのは香りを楽しむための聞香杯。聞香杯と対比して茶杯を飲杯と呼んだりもする。飲杯は日本の茶飲みに比べると小さい。聞香杯は香りを逃さないために背が高く口が小さい。現代では台湾工夫茶で用いられることが多い。

飲杯と聞香杯の対杯

まず聞香杯にお茶を注ぎ、次に聞香杯から飲杯にお茶を移す。空になった聞香杯の香りを存分に楽しんだ後、飲杯のお茶を飲む。こうしなくてはならない、という決まりはないが、聞香杯の使い方ははじめての人にはわかりづらいかもしれない。最初は経験者に教えてもらうと倍楽しめると思う。

安価でかわいい対杯

私は高価な杯はひとつも持っていないし、種類も数もそんなに持っていない。でも十分楽しめている。

日本向けの中国茶器屋さんや雑貨屋さんでは、たいてい飲杯と聞香杯が対で売っている。対杯で売っているものには安価なものが多いので、気軽に購入しやすい。対杯を置くための茶托は別売だが、あってもなくてもいい。

蓮の花モチーフの対杯

お茶のためだけの道具を揃えるのは大変だが、すでに家にあるものを使えば楽しみの幅が広がる。私も他のアイテムと組み合わせて気分を楽しんでいる。

たとえば、杯のデザインやその日のフィーリングに合わせてランチョンマットを敷き替えたりすると雰囲気が出る。また、茶葉を茶壷に入れたりする時に使う茶杓という道具があるのだが、シンプルな和の木箸などで代用したりもする。お箸ならたくさん持っている人もいると思うので、対杯とのマッチングを工夫してみてほしい。

花のモチーフの対杯

下の写真のパンダモチーフの対杯は、試飲させてもらったお茶があまりに好みでなさすぎた時、何も買わないのは気が引けるので、お茶の代わりに仕方なく購入したという微妙な過去を持つものたちである。

そんな経緯でうちに来た対杯だが、今では愛着ナンバーワンというくらい馴染んでいる。茶托までセットなのがかわいい。あとメチャクチャ安かったのに思いのほか丈夫。ついつい雑に扱ってしまうのだが、今のところびくともしていない。

パンダモチーフの対杯

友達女子たちとお茶会をした時も、とにかく茶器のかわいさに心惹かれるとのことだった。わかる。小さいもの。磁器のもの。まずもって女子が心惹かれない要素がない。

かわいさ重視の人も、味重視の人も、飲杯と聞香杯をセットで使うのがいちばん手っ取り早く気分が出る方法だと思う。中国茶や台湾茶が気になるなぁという人は、何はともあれ対杯でお茶を飲んでみることをおすすめする。茶葉がー味がーってだけじゃなくて、いろんな形のきっかけがあってよいではないか。


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