蠍は留守です記

蠍の不在を疑わずに眠る暮らしの記録

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トースターと私の暮らし

我が家にある家電でいちばん古株はスピーカー。次がトースター。

独身時代、たまたま間に合わせに買っただけの安く名もないトースターなんだけど、買い替える理由も特にはなく、ここまで現役でいる。これといった特長もなく、斬新なデザインというわけでもなく、強いて言うならコンパクトさが一人暮らし向きだった。もっと言えば、行ったお店にこれしかなかったからこれを買った。

当たり前のようだけど、基本パンを焼くためだけに使っている。しかし、その、パンのみを焼いてきた事実に対する絶大な信頼感というのが、意外と馬鹿にできない。いついかなる時も、何も考えずにパンを突っ込んでいいんだよっていう佇まい。グリルみたいに浮気じゃない。俺はパン専門だぜ、っていう。

デザイン性とかおしゃれさとか全部抜きにして、ずっと私の、ある時からは私の家族のパンを焼いてきてくれたという歴史が与えてくれる安心感。そういうものたちへの愛着が、きっと私の暮らしそのものなのだ。

我が家には高価なものなど(びっくりするほど何も)ないけど、愛着のあるものはわりとあるよ。これからも増えていくといい、と思う。

焼いたトースト

余談だけど、私は8枚切の食パンをカリッカリに焼くのが好き。ふわっとパンが食べたい時は、そもそも食パンを選ばない。カリカリのパンに、こっくりした発酵バターが定番。マーガリンは大嫌い。

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